「ビルメン4点セットを全部揃えようとしているけど、ボイラーって本当に意味あるの?」「年収に直結しないなら、取る優先度を下げてもいい?」
結論からお伝えすると、2級ボイラー技士の平均年収は約352万円。ビルメン4点セットの中で最も低く、日本の平均年収(約460万円)を大きく下回ります。
ただし、この数字だけ見て判断するのは早計です。2級ボイラー技士は「単体で稼ぐ資格」ではなく、「持っていないと土俵に立てない資格」だからです。
本記事では、年収が低い理由を正直に解説しつつ、それでもビルメンが取るべき理由を徹底解説します。
2ボイラー技士の平均年収は352万円!
2級ボイラー技士の平均年収は352万円です。日本の平均年収が約460万円、ビルメン全体の平均年収が約436万円なので、ビルメンの平均値よりかなり低いといえそうです。

調査方法: 本メディア読者およびSNSを通じたインターネットアンケート
有効回答数: n=132
算出根拠: 各回答者の額面年収から算出(※独自推計含む)
2級ボイラー技士の年収が低い理由
2級ボイラー技士の平均年収が352万円と低い背景には、資格そのものの価値が低いのではなく、業界構造と求人の見え方に理由があります。
4点セットの「入口資格」扱いで、単体では希少価値が出づらい
ビルメン4点セットの中で、2級ボイラー技士は合格率55〜60%と最も取りやすい部類に入ります。取りやすいということは、電工や乙4を持っている人がボイラーも一緒に持っているケースが多く、「当たり前に持っている資格」になりやすいということです。
冷凍機械責任者のように「試験が年1回で合格者数が少ない」という希少性もなく、消防設備士のように「甲・乙の種別で専門性をアピールできる」という差別化もしにくい。単体でのアピール力が弱いのは事実です。
| 資格名 | 合格率 | 試験回数/年 | 直近合格者数 |
|---|---|---|---|
| 2級ボイラー技士 | 55〜60% | 毎月 | 約11,400人 |
| 危険物取扱者 乙4 | 30〜35% | 年数回〜毎月 | 約71,000人 |
| 第3種冷凍機械責任者 | 30〜40% | 年1回 | 約6,000人 |
| 第2種電気工事士 | 筆記60% / 技能70% | 年2回 | 約75,000人 |
小型ボイラー化が進み「選任不要」現場が増えている
近年、ビルの熱源設備は大型ボイラーから小型貫流ボイラーやヒートポンプへの切り替えが進んでいます。小型貫流ボイラーは労働安全衛生法上の「ボイラー」に該当しないケースが多く、有資格者の選任が不要です。
結果として、「ボイラー技士が必要な現場」が徐々に減り、資格保有者の需要が分散しています。これが求人上の年収を押し下げる最大の構造的要因です。
ただし、病院・ホテル・大学・地域熱供給施設など大型設備が残っている現場では選任義務が依然として有効です。この点は後述します。
| 区分 | 資格の要否 | 主な設置場所 |
|---|---|---|
| 真空式・無圧式温水ヒーター | 不要(法令上ボイラーに非該当) | 中小規模ビル・マンション |
| 簡易ボイラー(伝熱面積0.5㎡以下の蒸気ボイラー等) | 不要 | 小規模施設全般 |
| 小型ボイラー(伝熱面積1㎡以下の蒸気ボイラー等) | 技能講習修了者で可 | 小規模店舗・工場 |
| 小規模ボイラー(伝熱面積3㎡以下の蒸気ボイラー等) | 技能講習修了者で可 | 中小規模施設 |
| ボイラー(上記以外) | 2級以上の免許が必要 | 病院・ホテル・大学・大型施設 |
「設備管理員」としての採用がメインで、ボイラー単体の給与評価が見えにくい
ビルメンの求人は「ボイラー技士募集」ではなく、「設備管理員募集(2級ボイラー技士歓迎)」という形式がほとんどです。つまり採用されるのは「ボイラー技士」としてではなく「複数の資格を持つ設備管理員」としてです。
この構造上、ボイラー技士単体の年収データを算出すると、設備管理全体の平均に引きずられて低く出やすくなります。電工や乙4と組み合わせて初めて給与評価に反映される資格であるため、単独で見ると数字が伸びにくいのです。
それでも2級ボイラー技士を取るべき理由
年収が低い理由を正直に説明した上で、それでもこの資格を取るべき理由を3つお伝えします。
「4点セットコンプリート」で転職市場での扱いが別格になる
電工・乙4・冷凍機械責任者まで持っていても、ボイラーだけ抜けている人は意外と多くいます。理由はシンプルで、「取りやすいから後回しにしているうちに機会を逃す」パターンです。
しかし採用担当者の目線で見ると、4点セットを全部揃えている人と3点しかない人では、書類上の評価が明確に変わります。「基礎資格をすべて抑えた人材」というラベルが貼られることで、系列系や大手ビル管理会社への転職時に書類選考の通過率が上がります。4点目の1枚が、他の3枚の価値も引き上げるイメージです。
法定選任義務がある現場では「いるだけで価値がある」
小型ボイラー化が進んでいると言っても、病院・ホテル・大学・地域熱供給施設など大型ボイラーが現役稼働している現場は日本中に存在します。こうした施設では、労働安全衛生法に基づくボイラー取扱作業主任者の選任義務が発生します。
企業側からすると、有資格者がいないと設備を法的に稼働させられないため、ボイラー技士の有資格者を確保・維持することは経営上の必須事項です。「法律に守られた需要」がある限り、資格保有者の仕事がなくなることはありません。
4点セットで最も取りやすいのに、持っていない人が一定数いる
合格率55〜60%、受験資格なし(ただし実技講習3日間が必要)という条件は、4点セットの中で間違いなく最も低いハードルです。「難しいから持っていない」ではなく、「後回しにして気づいたら持っていない」人が多い資格です。
だからこそ、取ってしまえば差がつく。 難易度が低い資格でも、持っていない人が一定数いる以上、揃えた側が有利なのは変わりません。エネ管や電験に挑戦する前に、まずここを埋めておくことが年収アップへの最短ルートです。
2級ボイラー技士で年収が高い会社の特徴
2級ボイラー技士の平均年収は352万円と低めですが、会社選びによって年収は大きく変わります。ボイラー技士の資格を高く評価し、高年収を提示する企業には共通した特徴があります。
大型熱源設備を抱える「系列系ビル管理会社」
親会社が不動産デベロッパー・鉄道会社・金融機関といった大手資本の系列系企業は、管理対象が大型オフィスビルや商業施設であることが一般的です。こうした物件には大型ボイラーが導入されているケースが多く、法律上、常に複数の有資格者を確保し続けなければならない事情があります。
系列系企業は独立系と比べて基本給のベースが高く設定されている上に、資格手当も手厚い傾向があります。さらに安定した収益基盤を背景にボーナスの乗率も高いため、同じボイラー技士の資格でも年収の着地点が大きく変わります。
365日稼働が止められない「病院・ホテル・老人ホーム」
医療・介護・宿泊施設はボイラーによる給湯・暖房が止まると即座に業務に支障が出ます。そのため有資格者への依存度が高く、採用時の評価が他業種より手厚くなりやすいです。
また、これらの施設は24時間稼働が前提のため、夜勤・宿直手当が年収に上乗せされます。日勤のみのビル管理と比べて総年収が50〜100万円単位で変わるケースもあり、年収を重視するなら積極的に狙う価値があります。
一方、病院やホテルはビルメンの中では比較的忙しい部類に入るため、楽したいという志向の人にはあまりお勧めしない選択です。
大型ボイラーが現役稼働している「大学・公共施設・地域熱供給」
大学キャンパスや公共施設、地域熱供給プラントは、民間の一般オフィスビルと比べて設備規模が大きく、大型ボイラーが現役で使われているケースが多いです。こうした現場では2級だけでなく一級・特級ボイラー技士が求められる場合もありますが、2級保有者が入口として採用され、その後のキャリアパスの中で上位資格取得を支援してもらえる環境が整っていることも多いです。
公共性の高い施設を運営する企業は給与水準が安定しており、民間の波に左右されにくい点も長期的な年収の安定につながります。
2級ボイラー技士を取得したほうがいい人
2級ボイラー技士は「取りやすい資格」である反面、「自分に必要かどうか」を判断しにくい資格でもあります。年収への直結度が他資格と比べて見えにくいからです。ここでは取るべき人・急がなくていい人を明確に分けて解説します。
4点セットがあと1枚で揃う人
これが最優先です。電工・乙4・冷凍を持っていてボイラーだけ抜けている場合、今すぐ取りに行く価値があります。1つ追加するだけで「ビルメン4点セット保持者」という評価に変わり、転職市場での書類通過率がかなり変わります。
系列系・大手ビル管理会社への転職を考えている人
系列系や大手は求人の応募要件に「4点セット保有者優遇」と明記しているケースが多く、ボイラーの有無が足切りラインになることがあります。独立系から系列系へのステップアップを狙っているなら、手当の差額より転職後の基本給ベースの違いの方が年収インパクトが大きいです。
病院・ホテル・大学など大型施設への転職を考えている人
これらの施設は大型ボイラーが現役稼働しているケースが多く、ボイラー技士の選任義務が発生します。現場が「有資格者の頭数を揃えたい」という状況なので、資格があるだけで採用優先度が上がります。夜勤・宿直手当も含めた総年収が高くなりやすい職場でもあります。
2級ボイラー技士を急いで取らなくていい人
「取るべき資格」であることは間違いありませんが、タイミングを誤ると学習コストが無駄になるケースもあります。以下に当てはまる人は、まず別の資格を優先してください。
電工・乙4をまだ持っていない人
4点セットの中で就職・転職への影響が最も大きいのは第2種電気工事士です。ボイラーより電工を先に取る方が、求人の選択肢が広がる速度が圧倒的に早いです。まず電工、次に乙4を取ってからボイラーに着手するのが王道ルートです。順番を守るだけで、同じ勉強量でも年収への反映速度が変わります。
ビルメン未経験でいきなり4点を狙っている人
未経験から一気に4点取ろうとすると学習が分散して全部中途半端になるリスクがあります。電工から順番に取っていく方が、実務との接続もしやすく結果的に年収アップへの最短ルートになります。ボイラーはその過程で自然に取れる資格です。焦る必要はありません。
2級ボイラー技士は年収を上げたいビルメンおすすめ度「★★★☆☆」
年収アップ期待値:★★☆☆☆
単体では手当どまりです。資格手当は月額1,500円〜5,000円程度が相場で、年間にしても10万円に届かないケースがほとんどです。ただし4点セットをコンプリートした状態で転職すると、基本給ベースが上がる系列系・大手への道が開けるため、組み合わせて初めて真価を発揮する資格です。
取得コスパ:★★★★★
4点セットの中で合格率が最も高く(55〜60%)、試験も毎月実施されています。受験資格は原則不要で、3日間の実技講習を受ければすぐに受験できます。学習期間の目安は2〜3ヶ月で、費やした時間に対するリターンは4点セットの中で最大です。
求人の安定性:★★★★☆
労働安全衛生法に基づく選任義務があるため、景気に左右されにくい安定した需要があります。小型ボイラー化が進んでいるとはいえ、病院・ホテル・大学・公共施設など大型設備が残っている現場の需要は不変です。一度取得すれば全国どこでも通用します。
業務の楽さ:★★★★☆
巡回・監視・日誌記入が業務の中心で、消防設備士のような外回りの点検ラッシュや肉体労働はほぼありません。ただし設備トラブル時には有資格者として即座な判断と対応が求められるため、精神的な責任感はあります。慣れれば落ち着いて働ける環境です。


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