浄化槽管理士の平均年収は398万円!平均年収より低い理由は?

「ビルメン4点セットを取ったけれど、思ったより給料が上がらない……」 「次に取るべきはビル管か?それとももっとコスパの良い資格があるのか?」

設備管理の現場で働きながら、将来の年収に不安を感じている方は少なくありません。そんなビルメンの方に、今こそ注目してほしいのが「浄化槽管理士」です。一見平均年収よりも低くコスパが悪く見えますが、実は隠れたコスパ良の有料資格なのです。

今日は皆さんにその魅力をお伝えしたいと思います!

目次

浄化槽管理士の平均年収は398万円

浄化槽管理士の平均年収は約398万円です。日本の平均年収が約460万円、ビルメン全体の平均年収が約436万円なので全体的に低い傾向にあるといえます。

浄化槽管理士_年収グラフ

調査方法: 本メディア読者およびSNSを通じたインターネットアンケート

有効回答数: n=132

算出根拠: 各回答者の額面年収から算出(※独自推計含む)

浄化槽管理士の年収が低い理由

保守点検費用の「相場」が決まっているから

浄化槽の保守点検料金は、地域ごとに「1回あたり〇〇円」とおおよその相場が決まっています。 特に一般家庭向けの小型浄化槽(5〜10人槽)の場合、1回あたりの点検料は数千円〜1万数千円程度。顧客に大幅な値上げを求めることが難しいため、会社としての利益率が上がりにくく、結果として社員の給料も一定ラインで固定されがちです。

対象処理人員設置後の水質に関する検査定期水質検査
10人槽以下13,000円5,000円
11〜20人槽14,000円7,000円
21〜50人槽16,000円10,000円
51〜300人槽21,000円13,000円
301〜500人槽23,000円15,000円
501人槽以上40,000円32,000円

「独立系」小規模企業が多いから

浄化槽管理を専門とする会社は、地域密着型の「独立系」小規模企業が多数を占めます。 大手ビルメン会社のような「充実した福利厚生」や「多額のボーナス」を出す体力がない会社も多く、昇給スピードが緩やかになりやすいのが現状です。

「様々な物件を取り扱うビルメン会社」というよりも「清掃業がメインで一部管理もやっている」といった会社が多く、給与形態も清掃業に近い水準の会社も多く存在します。

「作業員」としての評価にとどまっている

現場の点検業務がメインとなる会社では、浄化槽管理士は「エンジニア(技術職)」というより「現場作業員」として評価されることが少なくありません。 1日に回る点検件数をこなす「労働集約型」の働き方になりやすいため、個人のスキルが年収に直結しにくいという側面があります。

とはいえ年収が高い会社では700万円越えの会社もある

平均年収約398万円という数字を見て「夢がないな」と感じたかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。実は、浄化槽管理士を武器に年収600万〜700万円超えを実現しているビルメンや管理技術者は現実に存在します。

同じ資格を持ちながら、年収が高い会社には共通点があります。

大手インフラ・メーカー系列への所属

最も現実的な高年収ルートは、親会社の資本力が強い「系列系」への所属です。 特に、JR系やガス系などのインフラ系ビルメンや、フジクリーン等の浄化槽メーカー直系のメンテナンス会社は狙い目です。

これらの企業は、独立系とは比較にならないほど賞与(ボーナス)や福利厚生が充実しており、基本給+資格手当+残業代+賞与を合算することで、30代〜40代で年収600〜700万円の大台が見えてきます。

下の表は代表的な会社です。

企業名カテゴリ特徴公式サイトURL
JR東日本ビルテック鉄道系駅舎や鉄道施設の管理。福利厚生と安定性が国内トップクラス。https://www.jeb.co.jp/
フジクリーン工業メーカー系浄化槽シェア世界トップ級。自社製品のメンテで利益率が高い。https://www.fujiclean.co.jp/
東京ガスファシリティサービスガス系工場排水や関連施設の管理。水処理の専門性が高く評価される。https://www.tgfs.co.jp/
西原環境プラント系水処理の老舗。大型物件の運営に強く、高年収を狙いやすい。https://www.nishihara.co.jp/
水ing(スイング)プラント系三菱商事系等の国内最大級水インフラ企業。公共案件に強い。https://www.swing-w.com/
ハウステックメーカー系ヤマダHDグループ。住宅設備全般に強く、管理物件数が豊富。https://www.housetec.co.jp/

「大規模物件」の選任による責任者手当

年収が突き抜ける人は、現場作業員ではなく「責任者」としてのポジションを確立しています。

501人槽以上の病院、大型商業施設、ホテルなどは、法律で「浄化槽技術管理者」を置くことが義務付けられています。このポジションに就けば、通常の資格手当に加えて「責任者手当(選任手当)」が大きく加算されます。さらに、ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)などの上位資格を併せ持つことで、施設全体の管理職として評価され、年収が飛躍的に向上します。

一方、忙しさも増す傾向にあるので、ビルメンのメリットの1つである「ゆる~く働きながら一定稼ぐ」からはやや遠ざかる選択肢になります。

都心部・工業地帯など案件が多い地域で働く

勤務エリアによる収益性の差も無視できません。 大型物件が密集する都心部や、排水管理が厳しい臨海部の工業地帯などは、管理1件あたりの単価や効率が非常に高いエリアです。こうしたエリアを主戦場とする企業は、社員への還元率も高い傾向にあります。

特に水処理の専門性が求められる現場では、「代わりが利かない人材」として年収交渉がしやすく、好条件のヘッドハンティングや転職によって700万円を実現するケースも珍しくありません。

住む場所にこだわりがない人や、今住んでいる地域が都心部・工業地帯に該当する方におすすめです。

【実態】浄化槽管理士の1日のスケジュールと仕事内容

「年収はわかったけど、具体的にどんな働き方をするの?」と疑問に思う方も多いはず。

浄化槽管理士の仕事は、ビルメン(設備管理)のような「建物常駐型」ではなく、社用車で現場を回る「巡回型」がメインです。ここでは、現役管理士の標準的な1日をご紹介します。

都心の場合

時間業務内容現場のリアルな事態
09:00現場到着・受付複合ビル等の防災センターで受付。ビルメン担当者と打ち合わせ、地下の処理室へ移動。
09:301件目(大型ビル)1件に2〜3時間。 巨大なブロワーのオイル交換や、ポンプの異音チェック。電気系統の点検も含む。
12:00昼休憩ビル周辺の飲食店へ。作業着での入店に気を遣うこともあるが、食事の選択肢は豊富。
13:302件目(病院・工場等)消毒剤の管理が特にシビアな現場。放流水の数値を細かく測定し、基準値内に収まっているか神経を使う。
15:303件目(駅前施設等)狭い場所にある浄化槽の点検。都心は駐車場探しや、人混みの中での機材運搬が一番の重労働。
17:00帰社・見積作成大型施設の故障は修理費が高額になるため、詳細な修繕見積書を作成。これが会社の大きな利益になる。
18:00退社渋滞に捕まると多少遅くなるが、基本はビルメンと同等の安定した勤務体系。

地方の場合

時間業務内容現場のリアルな事態
08:30出社・準備社用車(軽トラ等)に塩素剤を積み込み。昨日の水質検査結果を再確認して出発。
09:301〜2件目(戸建)1件40分程度。 雑草の除去や、ブロワーのフィルター掃除など「+αの清掃」を行い、信頼を稼ぐ。
11:003件目(アパート)入居者が多いアパートは汚れが溜まりやすい。スカムの厚さを測り、清掃(汲み取り)の必要性を厳しく判断。
12:00昼休憩道の駅や見晴らしの良い場所で休憩。地方は「一人の時間」を最も確保しやすい。
13:304〜6件目(戸建)巡回。古くなったマンホール蓋のサビや割れを見つけ、事故防止のための交換提案(売上増)を行う。
15:307〜8件目(店舗等)飲食店などは油汚れが激しいため、薬剤の量を調整。現場での「判断力」が問われる時間帯。
16:30帰社・事務作業現場で撮影した写真を確認しながら、iPadやPCで報告書作成。
17:30退社地方の専門業者は「残業なし」を売りにしている会社が多く、プライベート重視派に最適。

浄化槽管理士がビルメンにお勧めの理由

ビルメン業界には多くの資格がありますが、その中でも「浄化槽管理士」は非常にコストパフォーマンスの高い資格です。3つの大きなメリットを解説します。

資格手当がもらえる(月額3,000円〜5,000円)

浄化槽管理士を取得する最大のモチベーションは、ダイレクトに給料に反映される「資格手当」です。 一般的なビルメン会社での手当相場は月額3,000円〜5,000円程度。しかし、水処理に特化した企業や大手系列系では、月額10,000円を支給する例も珍しくありません。

仮に月1万円の手当がつく場合、年間で12万円、10年で120万円もの差がつきます。4点セット(電工・ボイラー等)を揃えた後の「プラスアルファ」として、これほど効率的に年収を底上げできる資格は他にありません。

独占業務があり「くいっぱぐれない」

浄化槽管理士は、法律(浄化槽法)によって認められた「業務独占資格」です。

浄化槽の保守点検は、この資格を持つ人間にしか許されていません。 日本国内、特に下水道が整備しきれない地方や、郊外の大型施設、工場などには無数の浄化槽が設置されています。これらの設備は法定検査が義務付けられているため、景気が悪くなったからといって仕事がなくなることはありません。「この資格さえあれば、全国どこでも仕事が見つかる」という安心感は、ビルメンとして生きていく上で強力な武器になります。

今後水処理施設は老朽化が課題となっており、需要は増す一方とみられていますし、AI時代でもなくならない数少ない仕事です。

資格取得難易度が「意外と低い」

「国家資格=難しい」というイメージがあるかもしれませんが、浄化槽管理士には「講習受講」という合格への近道が用意されています。

試験ルート: 合格率20%前後(難易度はやや高め)

講習ルート: 合格率80%〜90%以上

13日間の講習を受け、最終日の修了考査に合格すれば資格が取得できます。受講費用は約13万円と高額ですが、多くのビルメン会社では「資格取得支援制度」により費用を全額負担してくれます。 電験三種やビル管理士のような数年の勉強時間を必要とする難関資格に比べ、「短期間で確実に年収を上げられる」という点では、圧倒的にコスパが良い資格と言えます。

実際に浄化槽管理士で年収を上げた人の話

「たかが資格一つでそんなに変わるの?」と思うかもしれませんが、ビルメン業界において「独占業務」を持つ資格の影響力は絶大です。ここでは、ビルメンマスター編集部で取材した実在するモデルケースを2つご紹介します。

20代のAさん:若手ビルメンが「手当」で着実に年収アップ事例


状況: 独立系ビルメン会社勤務。電工2種と乙4は取得済み。現在の会社は新卒から勤務。

成果: 講習を受けて浄化槽管理士を取得。地方の小規模物件を多く抱える会社だったため、有資格者が不足していました。取得後すぐに現場の担当として登録され、以下の手当が加算され、資格手当月5,000円が追加されました。また半年後には選任手当として月3,000円(物件の担当者として登録)が追加され、合計8,000円の月給UPとなりました。

30代のBさん:中堅ビルメンが「転職」を機に年収50万円アップ


状況: 中小独立系ビルメン会社で働く30代。ビルメン4点セットを持っており、現職が3社目

成果: 浄化槽管理士取得後に、大手インフラ系グループ会社へ転職。転職により年収が300万円→420万にUP! 基本給のベースアップと、手厚いボーナス(年4.5ヶ月分)により、前職から年収が120万円アップしました。

浄化槽管理士は年収を上げたいビルメンおすすめ度「★★★★☆」

結論として、浄化槽管理士は「今の年収に満足していないビルメン」にとって、極めて投資価値の高い資格だと言えます。

年収アップ期待値:★★★☆☆

月5,000円〜1万円の手当は堅く、転職時の交渉材料としても強力です。ただ、電験やビル管理士などの資格と比べると年収UP幅は限られるため、星3としました。

取得コスパ:★★★★★

講習ルートを使えば、難関資格に何年も費やすことなく、短期間で確実に「有資格者」になれます。正直年収UPが見込める資格で合格率80%(講習受講者の平均)は星6をつけたいレベルです。

求人の安定性:★★★★★

法律で定められた独占業務。景気に関わらず、地方でも都心でも仕事が消えることはありません。AI時代においてもなくならない仕事というのはかなり心強いです。

業務の楽さ:★★★★☆

現場によるところが大きいですが、現場点検は体力を使う面もあります。一般的なビルメン現場と比べるとやや大変な面もあるため、星4としました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

累計300名以上のビルメン・建設従事者の転職支援実績を持つ専門家チームが運営。現場の知見と最新の労働市場データを掛け合わせ、ビルメン業界のキャリア形成における「最適解」を解説します。全ての記事は、業界特化型エージェントの経験に基づき、実務に即した視点で構成されています。

コメント

コメントする

目次